学生広報部レポート/大学の外で学ぶゼミ
公開日:2022.07.11
学生広報部レポート/世の中の“面白い”を学問する現場から20 大学の外で学ぶゼミ 嘉悦大学では「eスポーツマーケティング」や「炎上経営学」をはじめ、「世の中の面白いを学問する」をコンセプトに掲げた講義を紹介してきましたが、今回はゼミ(研究会)を紹介します。 嘉悦大学では、2年生になると25あるゼミから1つを選んで所属します。ICTを学ぶゼミ、会計を学ぶゼミ、マーケティングを学ぶゼミなど様々なゼミがありますが、今回は、今年度から学生広報部の部長になりました私、北村が所属している岩月ゼミについて、昨年度の活動を振り返りながら紹介します。 岩月ゼミは、地方創生やスポーツまちづくりを研究している岩月基洋先生のもとで、毎週水曜日に活動しています。 最大の特徴は、学生だけで学ばないこと。日本橋にある一般財団法人地域活性化センター*の職員の出向元となる自治体に対して地域の活性化案を考え、学生自ら提案したり、センター主催の地方創生実践塾*に参加したりすることで、学外の様々な職業の方と接しながら学んでいます。嘉悦大学のその他のゼミは学内のみで活動するものもありますが、岩月ゼミは学外での活動機会が多いゼミです。なので、今回はこの学外での活動を対面とオンラインの2つの場面に分けて、お伝えしていきます。 *一般財団法人地域活性化センターとは、ひとづくり、まちづくりなど地域社会の活性化のための活動を支援し、地域振興の推進に寄与することを目的に設立された財団法人です。嘉悦大学は大学として第1号の連携先で、地域活性化センターが開催するインターンシップや地域での研修など様々な取り組みに参加しています。また、地域活性化センターが主催している地方創生実践塾は、2~3日間で開催されています。内容は、先進的な取り組みを行う地域を開催地とし、その地域で取り組んだことを講義やフィールドワーク、グループワークを通じて、地域づくりのノウハウや手法を学びます。自治体職員の方や議員、学生など様々な職業の方が参加しています。 対面でリアルに学ぶ地域活性化 昨年度は、2021年10月15日、16日の2日間にかけて地域活性化センター主催の長野県小布施町で開催された地方創生実践塾に参加しました。主催している地域活性化センターの職員の方や全国から来た自治体の方、議員の方など様々な職業の方が参加する中、嘉悦大学からは岩月ゼミの学生を含めて4名が参加しました。 小布施町は「協働と交流」を軸に地方創生に取り組んでいる街です。協働人材の接点作りとして「小布施町若者会議」の開催や、観光客が訪れる街にするため「町並み修景事業」を行うなど、先進的な取り組みをしている町で地方創生実践塾は行われました。 1日目は、この小布施町の町長から「町並み修景事業」など今まで小布施町が行ってきた取り組みについての講義をしていただきました。その後に、「町並み修景事業」として実施した「栗の小径」や民家などの庭を一般開放する「オープンガーデン」を実際に見に行きました。また、「小布施若者会議」で「クリエイターが集まる拠点を作りたい」という提案からはじまった、使われなくなった施設を「ハウスホクサイ」というコワーキングスペースとして活用するプロジェクトの運営者の方にお話を聞きました。 2日目は、小布施町で「平時を楽しみ有事に備える」をモットーに活動している「nuovo」という団体を訪問しました。この団体は、バギーの講習など、楽しくかつ有事にも備えられるアミューズメントパークを運営していて、設立した経緯や活動内容、バギーの体験などを行いました。その後に、小布施町に移住し、活動している方によるパネルディスカッションを聞きました。 私を含めた参加学生の感想 私自身、新型コロナの影響で実際に現地へ行き地方創生の現状を知る機会がなかったので貴重な経験ができました。今回の地方創生実践塾を通じて地方創生がなぜうまくいっているのか、成功する過程も勉強できました。地方創生を成功させるために、「官民が協働すること」「多くの意見を聞くこと」「地域外の人の意見を聞くこと」の重要性を理解しました。 その他の参加学生の感想は以下の通りです。 「小布施は行政と民間が関わり、町民や若者会議から出た意見を捨てずチャレンジする場を作っており、それが今の小布施を作っていると感じました。また、他の地域は行政と民間の関わりが薄いことも知りました。花のまちづくりなど、あらゆる可能性を無駄にしない小布施の姿勢が良い町を作り上げたのだと実感できました」 「今回初めて地方創生実践塾に参加し、実際に地域活性化に現地で携わっている方々のお話を聞き、体感することで、大学で予習していた内容とは比べ物にならないほど地域創生についての知識を深めることができました。今回、体験した中で特に印象に残っているのは「街歩き」です。小布施について調べている中で町並み修景事業について興味を持ちました。丹精込めた家庭の庭を開放するオープンガーデンでは玄関前までお邪魔することができ、ガーデニングのこだわりや、小布施町の方々の距離の近さを知ることが出来ました。古い町並みやオープンガーデンなど実際に訪れてみないと分からない小布施の魅力について知ることができ、地方創生実践塾に参加できてとても良かったなと思いました」 コロナ禍にオンラインで学ぶ地域活性化 コロナ前は、学生たちが地域活性化センターの職員の出向元の地域へ行き、その地域の魅力を発信する活動をしていました。私の先輩方は、気仙沼に行き、復興地支援をテーマに嘉悦大学の学祭や大学の最寄駅の花小金井駅の前で気仙沼の商品を売るマルシェを開催したりしていました。 しかし、コロナ禍で、行動が制限され現地へ行くことが難しくなりました。そのため、岩月ゼミでは、前述のような小布施での会にリアルで参加する以外に、オンラインで地域と繋がり、地域が抱えている課題や魅力を自治体の方から説明してもらい、個人やグループで課題の解決策や地域の魅力を発信する手段を自治体の方に学生が提案するという形もとっています。この方法も学びが多いため、そのことにも触れていきます。 まず、自治体の方に課題の解決策を提案するにあたってネット検索だけでは地域の現状や特徴の情報を収集することが大変でした。そのこともあり、2021年12月8日に地域活性化センターの職員の方をお招きし地域の現状や特徴を検索以外で見つけることができる特別授業を行っていただきました。岩月ゼミなどの学生がRESASの説明を聞いている様子 |
職員の方とグループワークをしている様子 |
文責:学生広報部 北村 悠馬(経営経済学部4年)
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