学生広報部レポート/武漢長期留学参加者対談!コロナ禍のオンライン留学はアリ? ナシ? オンライン留学の実態!
公開日:2022.05.06
学生広報部レポート/ 武漢長期留学参加者対談! コロナ禍のオンライン留学はアリ? ナシ? オンライン留学の実態! ~前編~ 嘉悦大学は中国の武漢大学と提携していることをご存知ですか?武漢大学は中国の歴史ある総合大学の一つで、重点大学に指定されている名門の大学です。嘉悦大学と武漢大学は1994年からおよそ28年の交流があり、本学には春休みの短期海外研修と秋学期の長期留学プログラムや交換留学制度があります。現在はコロナ禍で春休みの短期海外研修は行えませんが、秋学期の長期留学はオンラインで行われています。 そんな2021年秋学期の武漢大学オンライン長期留学に私、学生広報部編集者の和泉が約4か月、参加しました! 今期、嘉悦大学からはこのプログラムに私を含む3名の嘉悦生が参加。本記事では、参加者の一人である幸田星次郎さんと私、和泉がこのオンライン長期留学を振り返ります! 「オンラインで留学ってどうやるの?」「授業はどんな様子?」「オンライン留学って留学の意味あるの?」など、あまり知られていないオンライン留学の実態を前編・後編に渡ってお送りします。 このコロナ禍で留学を断念した人、これからオンライン留学を考えている人必見です! オンライン留学参加の流れ ただ、振り返る前に、1点だけ。そもそもの授業は腾讯课堂というGoogle ClassroomとZoomの機能を合わせたようなアプリで行い、宿題の提出は腾讯课堂かWeChatで行われます。そのような流れでのオンライン留学の振り返りスタートです!対談者
〈幸田星次郎さん〉 嘉悦大学4年生 ※取材当時の学年 (令和4年3月卒業) 中国語を始めたのは3年生で中国語を履修してから。中国語の発音に興味があり、より深く学ぶため留学に参加。 〈和泉真菜〉 嘉悦大学2年生 ※取材当時の学年(現在は大学3年生) 中国語歴は幸田さんと同じく1年次の中国語履修から。嘉悦大学が提携する武漢大学への編入学を目指して留学に参加。 クラスのレベル和泉: 中国語のレベルによって初級や中級などにクラス分けがされていましたが、実際に分けられたクラスのレベルはどうでしたか? 私は日本人の有利な点である漢字が読める点でリーディングはできてもスピーキングとリスニングが最初全然できなくて初回の授業はすごいパニックでした(笑)もう先生が自分に何を質問しているかわからないし自分の名前しか聞き取れない状態でしたね。
幸田: 本当に最初はツラかったですね。クラスのレベル間違えたかな、、って思いました。どうですか、自分なりにその環境に慣れていくための方法とか工夫したことありますか?
和泉: 私は最初の時期は本当に聞き取りができなかったんです。聞き取った音を頭の中で漢字に変換することが上手くいかなくて。授業を受けるパソコンの横にスマホの翻訳アプリを置いて入力したり音声翻訳を活用したりもしていました。慣れるためのちゃんとしたやり方じゃないかもしれないですけど。私にはインプットが足りてないと思ったので、まずは音と漢字を一致させて先生がよく使う表現に慣れるために使っていました。だんだん聞き取れるようになって調べる時間が減っていくのが嬉しかったです。
幸田: なるほど音声翻訳ねー。自分が翻訳を使ったのは質問をする時とか。なるべく正確に、間違えたくないので使ったりしました。
和泉: あとは中国語のキーボード入力ってピンイン(中国語の漢字の読み仮名)を入れると漢字の候補が出てくるので聞き取った発音をメモに入力して出てきた候補から見当をつけたり。
幸田: ああ、それはしていました! 自分も聞き取りがダメで、話すのは準備をすればそこそこできたけど聞き取りは全然でしたね。あまり工夫したことはないんですが、一番伸びたなと思った方法は音読の宿題です。あれをやっていかに収録されている音声と同じ速さで読むことが難しいかがわかりました。めちゃくちゃ練習して、間の取り方も聞き取って探して、授業に臨んでいました。
和泉: 音読練習は大事ですよね。正攻法だと思います。
幸田: そこは自分が自習に一番時間をかけたなって思います。今も市販の教材を使って勉強を続けているんですが、やっぱり大変ですね。まだ慣れてこないです(笑)
和泉: 現在の幸田さんの自習方法知りたいです!
幸田: もうこの三月で卒業して入社前なので勉強すべきことや、やることがあってなかなか時間が取れないんですけど、なるべく発音やしゃべることを意識してやっています。それこそ音読とか。自分にとってコミュニケーションを大事に思っているので聞き取るっていう点でも話す練習は特に続けています。
留学ならではの一面和泉: 周りの環境ってどうでしたか? 私は周りに知り合いが全然いないことで、いつもと違う自分を出せる気がするので今までの日本人だけの環境よりものびのびとできた気がします。大学での授業は自分がやりたいこと、重視することが違う人たちが一つの授業に集まるのでモチベーションにも差がありますけど、この長期留学プログラムに参加している人は中国語をやりたい人だけが集まっているので私的には発言とか質問がしやすかったです。
幸田: 交流っていう面だと、いろんな国も言語も違う人たちが集まってWeChat(中国版LINE)で中国語と英語が同時に飛び交うことが不思議に感じたけど、だんだんそれに慣れていってお互い対応していけるようになってるなぁと思いました。あとクラスメイトが使っていて自分が知らない言葉とかあると勉強になりましたね。「好的(ハオダァ)」(はい、OKの意味)とか最初はなんだこれ?みたいな。
和泉: 思いました思いました! 授業や教科書でやった覚えがないぞ…ってなりました。教科書と言えば、中国の中国語テキストの例文が日本のテキストだと見ないような例文を使っていたりして新鮮でした。
幸田: 確かに。結構具体的ではっきりとした表現をするなーとか思いましたね。あと教科書について良いと思ったのは、先に進んでも前にやったことを復習させてくれるような内容になっているところですね。前の章でやった表現を次にも使っていたりしてよくできてるなと思いました。しかも他の科目にもまたがって同じ文法を学べることも多くて復習になったのもすごい。
武漢大学の先生の指導方法幸田: あとは先生の指導方法? 言い換えとかすごくわかりやすい。教えることを研究されているんだろうなー、教えて学生に覚えてもらって成果を出すことが研究なんだろうなーって感じるようなしっかりとした教え方。最後の方は「もっと視野を広げて!」っていう感じで結構アクセル踏ませるような。少し圧倒されることもあったんですけど、でもそれがまた次を目指すきっかけになったりもするんで、すごく良いなと思いました。わからないことがあっても個別にWeChatで質問したらレスポンスも早くて助かりました。
和泉: そうなんですね。私は、質問は授業中にする方が多かったです。私だけじゃなくて他の人もわからないかもしれないからその場で質問する、みたいな。「失敗を恐れないで!」と先生方から何度も言われていたことがあって質問のしやすさにつながっていました。
幸田: 自分も思う時があったんですけど、自分が思ってることは他の人も同じように思っているんだな!ってなりましたね。あと自分で勉強していてわからなくなったことの確認とか本当にわからないことは個別で聞くことが多かったかもしれません。
和泉: 授業内での解説は先生がわかりやすい言い回しや簡単な単語、例を使って説明してくださった印象ですが、個別で聞く時も言い換えや例の出し方がわかりやすかったですか?
幸田: 個別では言い換えというより、先生の説明に対して自分の理解できたことを確認するために「こうですか?」と聞いて「こうだ」って答えが返ってくる作業を何回かして、理解の方向がずれているとだんだん導いてくれる、みたいな感じでしたね。
オンライン留学のメリット和泉: オンライン留学の良かったところって何だったと思いますか?
幸田: アルバイトとかを辞めずに語学を学べるってことと、デメリットにもなり得るんですけど、音質がちょっと良くないこと(笑)オンラインで慣れておけば対面した時に聞きやすいよ、っていう。「音質良いなぁ!」って感動する(笑)
和泉: 意外なメリットですね! 私はリアルタイムオンライン授業でのチャット機能が使えたことがメリットに感じました。対面の授業だったら先生の言ったことが全く聞き取れずに進んでしまったかもしれないところを、先生が「今こう言ったよ、こういう新しい単語を使ったよ」っていうのを目に見えるチャットで教えてくださったのでどんどんインプットを増やしていくのに近道できたなと思いました。
幸田: 確かに。ログみたいに残るのは良いですよね。ああそうだ、カメラを写さないので例えば寝巻きのまま授業を受けられる、とかも良かったです(笑)あとはオンラインなので教室の移動がないこととか。
和泉: 武漢大学はすごく広いと聞いているので、もし移動があったり迷ったら確かに大変そうです。
幸田: うん、広い。YouTubeのVlogを見たんだけどめちゃくちゃ広かった。普通に敷地内をバスで移動してるじゃんって。
和泉: 移動がない分、授業間の休憩時間をちゃんとリフレッシュする時間にできた感じはありますね。あと90分授業の中でも先生が間に5~10分の休憩を設けてくださったのも良かったです。ずっと日本語じゃない言語、中国語だけを聞いているといつも以上に疲れてしまうので、45分程度でいったん区切っていただけるのが集中しやすかったです。
※授業は1コマ45分を2コマ連続して行っているため、実質1回90分になっている。 オンライン留学のデメリット和泉: ではデメリットは? 私は逆に先ほどの幸田さんの「顔出しナシ」がデメリットに感じました。先生方もクラスメイトもマイクの声だけで直接顔を見る機会がなく、留学が終わってしまいました。私たちはWeChat(中国版LINE)のアイコンを自分の顔にしていましたがそうじゃない人も多いので。
幸田: そこなんですよね! そこは寂しさみたいなものを感じましたね。
和泉: はい、少し寂しかったです。顔出しに抵抗がある人もいると思うのでメリットにもデメリットにもなるところかなとは思います。
幸田: そうですね。後半になればなるほど「(中国に)行って授業したいな」って思いました。あと自分たち日本人は時差がほとんどなかったから良かったけど、時差が大きい国の人は大変だなーって。
和泉: 中国時間で朝8時、日本時間で朝9時からの授業をヨーロッパの方のクラスメイトは夜中の1時~2時から受けていたり。嘉悦は基本的にこの学期は留学先の授業のみですが、今はオンラインなので昼間は自分の大学の授業がある人もいましたね。
幸田: うん。こっちはほとんど普段と変わらないからこそ、その分もっと頑張らなきゃと。
和泉: あとはオンラインならではというと、マイクの調子や回線速度といった「インターネット環境」の問題とか。
幸田: そう、先生側にトラブルがある時は授業が遅れちゃったり。そこは対面だったらスムーズに進んでいたと思うので。色々ありましたね。いや~、もはや懐かしい。
和泉: その時間、あちこちの国から一つの授業に参加して学びもトラブルも共有していたことがちょっと不思議で面白いなと思っていました。
幸田: すごいことやってんなー!すごい距離を結んでるなー!ネットすごい!って思った。
ちょっと一息… 前編ではオンライン留学の実態をテーマにお伝えしました! オンライン授業にはリアルタイムで行うタイプとオンデマンドで行うタイプがあります。オンライン留学ではリアルタイムで行う形式で、現地には行けないものの、みんなで一緒にその時間を共有できていることが嬉しかったです。コロナ禍では留学の形式も変わり、オンライン留学は現地に行く留学の体験にはかなわない面もあります。しかしオンライン留学の良さもありました。様々な固定概念を覆される留学を「留学とは現地に行くものだ」と決めず、オンライン留学も一つの学びの手段だと思います。 後編では幸田さんと和泉がこのオンライン留学に参加して学んだことや成長したことをご紹介します。ぜひ後編もお楽しみに!文責:学生広報部 和泉 真菜(嘉悦大学 経営経済学部3年)