学生広報部レポート/相談事はあってもなくてもOK?嘉悦のカウンセリングルーム

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相談事はあってもなくてもOK?嘉悦のカウンセリングルーム

こんにちは、学生広報部の佐藤です。
皆さんはカウンセリングルームと聞いて何を思い浮かべるでしょう。相談する場所?それともこころの保健室でしょうか。利用経験のある方はともかく、これまで利用したことがない人にとっては、固まったイメージがあるかと思います。かくいう私も、そのうちのひとりです。
誰にも相談できない悩みを抱えている人が利用する場所だと、長年思っていました。おそらく間違った認識ではないのでしょうが、本当のところは行ってみないと分かりません。

ご存じの方もいるかもしれませんが、嘉悦大学にもカウンセリングルームがあります。
本記事では学生広報部佐藤が長年気になっていたカウンセリングルームについて、 嘉悦大学カウンセリングルームの担当カウンセラーの星子さん、篠塚さんにお話を伺ってきました。

カウンセリングルーム入り口

今回お話を聞くカウンセラー

・星子さん……嘉悦に務めて7年目、映画鑑賞やYouTubeを見ることが趣味

・篠塚さん……今年の5月に嘉悦に来たばかり、趣味は自然観察やガーデニング

※篠塚さんは他の利用者さんとの兼ね合いで途中までお話を伺いました。

気になる利用状況など

佐藤:早速いろいろ聞いていきたいのですが、学生のみんなの利用状況などを知りたいです。

星子:学生の皆さんはだいたいお昼すぎの利用が多いですね。午後の授業が終わってからここに来る流れだと思います。

佐藤:今回は予約をしてお時間いただいたので、アポなしで訪れる場合は午前中が狙い目ですね。それと利用者は学生だけでなく、嘉悦の教職員や保護者も大丈夫と聞きましたが本当ですか?

篠塚:先生方や保護者の方も問題なくご利用いただけます。 特に最近は学ナビが保護者も見えるようになったので、私たちが発行しているカウンセリングルーム通信などをきっかけに、お子さんに関することでも、大学に関することでも気軽にお越しいただければと思います。

カウンセリングルーム通信について

佐藤:そうでした、通信についても聞きたいことがありまして。

7月のカウンセリングルーム通信

佐藤:学ナビに毎月掲載されているカウンセリングルーム通信。個人的に読んでいて和むというか、密かに好きなのですが、書いていて気をつけていること、意識していることはありますか?

篠塚:ご覧のように左側が心理に関するコラム、右側がカウンセリングルームに関する構成になっています。ローテーションで書いているのですが、基本的に書き手の書きたいこと、伝えたいことが主になります。7月号の担当は私なのですが、季節にちなんだ花言葉を載せました。

星子:私の場合、5月は5月病であったり、11月は疲れやすいだったりなど時事や季節にまつわる広い意味での心理の話を書いています。この通信はカウンセリングルームを知ってもらう、興味を持ってもらう意味合いがありますね。特に左側に関しては各カウンセラーの個性も出ています。

佐藤:実際に通信の反応はあったりしますか?

星子:反応はありますね。また、この通信は毎月出しているので親近感にもつながっていると思います。私、YouTubeをよく見るんですけど、動画を頻繁に投稿するチャンネルとたまにしか出さないチャンネルとでは、距離感が違いますよね。あれと同じで、この通信を毎月発行することで、カウンセリングルームはやっているんだな、身近な存在なんだなと感じてくれたりするので、そういう下支えみたいな意味もありますね。

お正月のカウンセリングルーム通信

いろんなカウンセリングルーム、違いは?

佐藤:私が通っていた小学校、中学校にもカウンセリングルームはありました。ところによっては社内に設けている会社もあると耳にします。どの組織にあってもカウンセリングルームが持つ役割に変わりはあるのでしょうか。

篠塚:本質的に違いはありませんね。佐藤さんは、これまで利用したことはないと仰っていましたね。

佐藤:はい。正直なところカウンセリングは、誰にもいえない悩みを抱えた人が訪れる場所で、自分には無縁な場所だと思ってました。今も少しその考えはあります。

篠塚:佐藤さんの言うことも間違いではないです。けれど、悩みがなくともカウンセリングルームに来ても良いということは記事を通して知っていただきたいですね。

佐藤:悩みや相談事がなくてもいいのですか?

篠塚:問題ありません。カウンセリングルームは、思いつめたことで来る場所だけではないんです。ただ喋る、というだけでも人は元気になります。何気ない会話でも、意図せずにそういう効果はあるので、そうした雑談目的で利用される方もいます。なので利用にあたり悩みや相談事はなくてもいいのです。
カウンセリングルームの利用が多いことは、何か問題が多いのではないかと捉えられていたかもしれませんが、利用が多いほどその学校はオープンであると私はいろいろな学校を見てきましたけど、すごく感じています。
私は嘉悦に来たばかりですけど、カウンセリングを通してこの大学はとても良い雰囲気だなと思います。教員と学生、それから事務の方、いろんな職員との間に良い信頼関係が築けている事を感じます。

佐藤:教員と学生の距離の近さは嘉悦の良さですけど、カウンセラー的視点からみても間違っていなかったんですね。
と、篠塚さんはこれから予定が入っているとのことで、最後に記事をお読みの皆さんに何か一言お願いします。

篠塚:カウンセリングルームは相談事があってもなくても来ていいところです。どんなことでも、はたまたおしゃべりでもお気軽に利用してもらえればと思います。

佐藤:篠塚さん、ありがとうございました!

カウンセリングルーム内部 その1

もう少し踏み込んで 曰く、カウンセラーは答えをくれない?

佐藤:引き続きよろしくお願いします。今回、お話するにあたりざっくりとカウンセラーについて調べてきました。これはとある体験記なのですが、カウンセラーは良くも悪くも答えは出さないと目にしました。カウンセリングルームをぼんやりと、悩みの解決屋と捉えていた私にとって、少し意外な情報だったのですが、嘉悦のこの場にも当てはまりますか?

   

星子:スタンスや考え方は個人のものということを念頭に私としては、答えは出さないというよりも出せない、が正しいですね。きっと、簡単には解決できない悩みがあるからここを尋ねるわけで、そうした場合、白黒つけられない割り切れない問題がほとんどだと思うんです。具体的に就活にちなんで例えると、A社とB社のどっちに進むべきだろうみたいな。それはある意味で全部が答えともいえるような話で、自分自身が決める事だったりします。そのような状況の中で、私たちカウンセラーができることは一緒に悩むことです。一緒に悩んで、喋ったりすることで、それが気づかぬうちに発散になったり、発想が変わったりします。

佐藤:確かに、悩み事を一人で抱え込むよりも良さそうです。……これはもう少し踏み込んだ質問なのですが、実の親に打ち明けたら、まず叱られるような深刻な悩みを抱えた学生がいるとします。もしもの話、私がカウンセラーの立場だったらそういう学生さんは手に負えないなと思ってしまうのですが、大きな悩みを持つ方が来た場合、どう接するのでしょう。

星子:大きな悩み、問題は私も人間ですので動揺はするかもしれません。ただ、叱るようなことはまずありえないですね。まずはじっくり話を聞くと思います。そして一緒に悩んで、一緒に苦しむことになるかと。カウンセラーは別に万能じゃないので、答えは持っていないです。でも答えは出なくても、苦しみを共有することはできます。
また、過去の経験から提案することもできるので、最終的にご本人が納得できる部分まで一緒に考えていくつもりです。なのでまあ、カウンセラーもおんなじ人間なので、悩み事に対しては一緒に悩むこと、寄り添うことが主になりますね。

佐藤:誰にも頼れない状況のなか、それでも一緒に苦しんでくれる存在がいるってなんだか安心しますね。悩み→解決で考えていた私にとってない考えでした。

ならではの習慣?と余白のお話

佐藤:私は学生広報部として活動するようになってから、身の回りの掲示物に目を向けるようになりました。職業病というのは大袈裟ですけど、星子さんはカウンセラーならではの習慣づいていること、考え方はありますか?

星子:カウンセラーならではというより、私個人の趣味に近いのですが
こういったものをですね……

佐藤:これは、サグラダファミリア展と古代メキシコ展のチラシ……ですか?

星子:チラシ兼割引券ですね。これは先日偶然見かけてもらってきたものなんですけど、こういった日常生活で興味を持ったものには、できるだけ触れるようにしています。

佐藤:古代メキシコとカウンセリングの組み合わせは面白いですね。

星子:直接関係があるわけではないですよ(笑)ただ、古代メキシコに関わらずどんなことでも遠からず関係はしてると思っています。先ほど、カウンセリングは寄り添うといいましたね。言い換えれば傾聴になるのですが、利用者さんの中にはたびたび表面ではなく、会話の奥底に本当のニーズが隠されていることがあります。 極端な例ですけど、訪れた学生さんが話す古代メキシコの話題の裏に、本人も気づかない意図があるとするじゃないですか。普通は気付けない意図ですけど、私がちょっとでも古代メキシコについて知っていれば気づけることもあるんです。知ることは解像度が上がることにつながるので、古代メキシコに限らず自分が面白そうと思ったものには興味を持つようにしています。

カウンセリングルーム内部 その2

星子:考え方については、心理学いろんなものがあるんですけど、私の好きな考え方として、意味があると思えることや無駄と思えることをわーっとかき混ぜた中から、今までになかった新しい意味や価値が生まれてくる、というものがあります。建物で例えると、日光東照宮を完成させないエピソードが近いでしょうか。
とても抽象的な話ですけど、無駄じゃないことって既存の考え方の中で意味があることですよね。でも今っていうのは完成されているわけじゃなくて、むしろ意味はないと思っていたことに意味が生まれてきたりします。そうした予想外を私は大事にしたいので私のカウンセリングでは余白を入れるというか、意味で埋め尽くさないようにしていますね。
ただ、予想外って狙って起きるわけじゃないので、狙いすぎないことは心がけているかもしれません。

佐藤:なんだかその考え方、素敵ですね。普段何気なく生きてきて、意味がないって思ったり言われたりすると、じゃあしなくていいのかな、になっていたのでこれからは私も余白、入れていきます(笑)
気づけば時間も経ってしまいました。最後に星子さんから、記事をご覧の皆さんに何か一言お願いします。

星子:篠塚さんと同じことになりますが、カウンセリングルームでは悩みや相談だけでなく雑談やおしゃべりも受け付けていますので、お気軽に足を運んでいただければと思います!

佐藤:星子さん、ありがとうございました!

終わりに

カウンセリングルーム記事いかがだったでしょうか。今回お二人のお話を通して、執筆の動機であるカウンセリングルームとはどんな場所なんだろうという私の長年の疑問が解けました。記事を通して、ご覧の方にもカウンセリングルームがどういう場所なのか伝わりましたら幸いです。そんな嘉悦のカウンセリングルームはB棟2階、学生支援センターの奥に位置しています。ここはお二人に倣いまして、相談や悩みがあってもなくても、気軽に利用してみてはいかがでしょう。

文責:学生広報部 佐藤玲央(経営経済学部4年)

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