学生広報部レポート/「ギネス世界記録™」で学ぶ地域活性化

学生広報部レポート/世の中の“面白い”を学問する現場から19 「ギネス世界記録™」で学ぶ地域活性化   嘉悦大学では「世の中の面白いを学問する」をコンセプトに「eスポーツマーケティング」や「炎上経営学」をはじめ、多くの講義で世の中の面白いを追求しています。その中でも日本の大学ではこの嘉悦でしか学べないものを扱っている「プロジェクト企画実践」について取り上げていきたいと思います。 プロジェクト企画実践の概要

プロジェクト企画実践は、東日本大震災の復興支援活動として福島県を中心にギネス世界記録への挑戦を支援し、8回認定された経歴のある神酒太郎先生が講師を務める「ギネス世界記録」を扱う講義です。様々な事例を調査・考察しながら、地域の課題解決により効果的な「ギネス世界記録」の挑戦方法を考え、挑戦に必要な知識を学び、実践的なスキルの修得を目指します。 記録挑戦には、企画力・記録を達成する能力のみが求められるわけではなく、実際には多くの関係者による協力が必要となるため、「コミュニケーション能力」「プレゼンテーション能力」の重要性についても学び、最終的に記録挑戦をすることで、さまざまな企画運営・実施に必要な「実行力」(知識・スキル・行動力)も学ぶことができます。そして授業の最後に活動内容をまとめ最終発表を行っています。 プロジェクト企画実践ではどのような狙いを持ちどんなことを学べるのか “世の中の面白い”ポイントはどこなのか?実際にこの講義を履修していた学生広報部の小平が講師である神酒先生にインタビューしていきます!   講師インタビュー

小平: なぜ地域活性化に「ギネス世界記録」を取り入れているんですか?

神酒: 東日本大震災の後に復興支援で何かをやるってなったとき、原発のこともあっていろいろ言われて地域の皆さんのメンタルというか誇りが傷つけられているっていうところが当時あったんですよ。なのでその自分たちが生まれ育った場所の誇りを取り戻してもらおうっていうことで、県内の各地域をテーマにしたギネス世界記録に挑戦するっていうことを復興支援の活動としてずっとやっていたんです。その中で高校生とか大学生に挑戦してもらう機会があって、やってもらっている中で彼らがすごく成長していくのが目に見えて、僕や協力してくれている方々も、学生とか若い世代にやらせるのがいいんじゃないかっていうところから、それを嘉悦大学でスタートし小平市の課題をテーマに講義としてやっています。

小平: 神酒先生の考える「ギネス世界記録」挑戦の魅力を教えてください。

神酒: 魅力は挑戦する側と参加する側で変わってきますが、挑戦する人にとっては人生が変わるくらいの視野が広がります。自分たちがやったことをテレビや新聞で取り上げてくれるとそれを周りの家族だったり、友達だったりが「なんかみたよ」とか「この間、新聞に載ってたでしょ」って連絡をくれるんですね。 それが学生たちにとっては、自分がやっていることが地域の役に立っているとすごく実感できる。実際認定されたら、世界一になったことが新聞やテレビに載って、いろいろ周りからも評価される。評価されたりすると自信になるし、また次に挑戦しようかなと思えるところが魅力だと思ってます。

小平: 春・秋学期ともにゲスト講師を招いての特別講義が多かったと思います。そこには意図があるんですか?

神酒: いろんな視点を持ってほしいと思っていて、私が話していることが正しいとは限らないし、他の人のやり方が正解の場合もあると思っているので、いろんな人の意見を聞いてもらおうという狙いがあります。イベントをやるだけでも集客の話だったり、地域の自治体と連携する大切さだったり、写真の使い方とか一人で教えられることにも限界があるので、いろんなポイントに絞ってゲスト講師に話してもらうことで視点が広がると思っています。 あとは来てくれたゲスト講師の人に喜んでもらえる。講義のスライド資料などを作るのはめんどくさい作業なんですけど、それよりも学生の意見を聞くっていうことが社会人になるとあまりないらしく、自分たちがやっていることを大学生がどう思うのかという感想のフィードバックをもらえることが貴重で、来てもらった皆さんにはすごく喜んでもらえました。  

学生に好評だった特別講義

小平: 春義では学生主体の活動が多いと感じました。それにも何か狙いがあるんですか?

神酒: 先ほども言いましたが、自分のやり方だけが正解じゃないと思っています。ギネス世界記録に限っては人より多くやっているけれど、イベントの企画を考えたりっていうのは、他の多くの人も考えている。だから自分のやり方を強制するというよりも学生のやり方のほうが自分とは違うけど上手くいくかもしれないと思い、よっぽど明確にダメっていう事がなければ学生主体にしています。  

小平: なぜ最終発表を行うのか教えてください。

神酒: ゴールをどうするかっていうところでモチベーションが変わってくると思っています。なので今回ゴールというのを明確に定めてみんながどういう反応を示すのかを見たかったっていうのがありました。あとイベントの企画や運営も自分たちだけではできなくて、グループだったり他の人の協力があってできるものです。要はその対外的コミュニケーションの能力をどうやって高めるかっていうところです。実際に春学期からやってもらっていた好きな漫画の紹介など簡単な発表で経験を積みながら講義を進めたこともあって、最終発表のときは緊張しなくなっていたと思うし、喋りも滑らかになっていたと思う。審査委員の方も1年生でここまで喋れるのはすごいと言っていました。人前に立って喋るっていうゴールがあることで履修生も練習するし、その効果が出たことを確認もできたのでやってよかったなと思っています。

最終発表の様子
 

小平: では最後に来年度この講義を取りたい、気になっている学生に一言お願いします。

神酒: 単純にギネス世界記録に関する講義って嘉悦大学の他にないんですよね、日本には。そういった他の人にはできない経験をしたいっていう人にはぜひ来てください。来年度もいろんな特別講師を招く予定にしているので、そういうのも楽しみにしてもらえるといいかなと思っています。

  今回お話を聞いた講師 神酒 太郎 嘉悦大学 非常勤講師 一般社団法人59の世界記録 代表理事 2011年慶応義塾大学大学院在学中に学生団体を設立し復興支援を開始。「59の世界記録 -FUKUSHIMA PRIDE-」を主催し、福島県内全59市町村でギネス世界記録認定を目指す。これまでに福島市・郡山市等で8件の記録に認定。 2020年、嘉悦大学非常勤講師に就任。 ギネス世界記録保持者。(Fastest bum walk(100m))   終わりに 私たちが普通に生活していると年末の紅白歌合戦でのけん玉のチャレンジなど、テレビで見るものという身近なイメージのない「ギネス世界記録」。参加する機会すらあるかないかだったものを自分たちが企画して挑戦する。そんな経験を大学1年の段階でできたのはこのプロジェクト企画実践を履修したからだと感じています。 現在、コロナ禍によって対面のイベント形式での挑戦はできていない状況なので、オンラインイベントでのギネス世界記録挑戦になりました。イベントを実施するという実践的な講義ゆえにイベントを企画することの難しさや人を集めることの大変さなど、自分たちが参加する側から作り手側へとなってみてわかることが本当に多いなと感じました。ギネス世界記録に挑戦してみたい、企画のノウハウを知りたい、自信をつけたいなどいろんな人にとって為になる授業だと思います。 また、この講義はSNSで普段の講義の様子やゲスト講師による特別講義映像などを載せているので気になった方はチェックしてみてください。あなたもプロジェクト企画実践を履修してギネス世界記録に挑戦してみませんか? プロジェクト企画実践ブログ:https://kaetsu-project.blog.jp/  

文責:学生広報部 小平 奏(嘉悦大学 経営経済学部1年)

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